家の古いタンスの中から、中学3年生の時の通知表が出てきた。
5点評価で学業は申し分無くオール5だ。(音楽と技術家庭科を除けば)
問題は保健体育の2。
一学期も二学期も三学期も2なのである。
私は小学二年生の時、1ヶ月半入院し、小児リウマチで歩けなくなるかもしれないと言われた。それ以来体育はいつも見学。運動することを禁じられていた。
体が弱い為に消極的になり、自分に自信が持てず、劣等感だらけの暗い少年時代だった。
中学生の時は勉強ばっかりしていた。教科書に書いてあることを全部丸暗記するほど、勉強ばかりしていた。
高校生になり、医者に逆らって自己流で始めたウェイトトレーニングが劇的な変化を私にもたらした。
時は東京オリンピックの頃、三宅選手のような筋肉と強い体にあこがれ、足の痛さをこらえてスクワットをしているうちに、細かった私の足の筋肉が発達し始めた。
脈打つたびにズキーン、ズキーンと痛んでいた足が、いつの間にか痛みを無くしていた。
あれからずっとトレーニングを続け、来月72歳になるが、私の体は相変わらずどこも悪くない。薬も飲んでいない。体育を見学していた虚弱な少年が、自分で言うのもなんだが、今は立派なものだと思う。